- 獲得金額
- 2814万6851円
- 受傷部位
骨盤骨折,左肩腱板損傷,左膝関節軟骨損傷
- 後遺障害等級
併合12級 左肩腱板損傷(12級6号[1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの])、骨盤骨折による骨盤部痛(14級10号[局部に神経症状を残すもの])、左膝関節軟骨損傷による左膝関節痛(14級10号[局部に神経症状を残すもの])
事案・ご相談内容
事案 | 被害者が同乗していた車両が交差点で右折待ちをしていたところ、加害者運転の車両に追突されて対向車線に押し出され、対向車両と衝突 |
---|---|
被害者 | 事故当時36歳、男性、運送会社勤務・配達業務 |
受傷部位・内容 | 骨盤骨折、左肩腱板損傷、左膝関節軟骨損傷 |
後遺障害等級 | 併合12級 ・左肩腱板損傷(12級6号[1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの]) ・骨盤骨折による骨盤部痛(14級10号[局部に神経症状を残すもの]) ・左膝関節軟骨損傷による左膝関節痛(14級10号[局部に神経症状を残すもの]) |
獲得金額 | 2814万6851円(保険会社最終提示額1114万1880円) |
裁判所・事件番号 裁判年月日 |
函館地方裁判所平成19年(ワ)第258号 平成20年6月23日判決 |
被害者が同乗していた車両が交差点内で右折待ちしていたところ,加害者A運転の車両に追突されて対向車線に押し出され,対向車両と衝突した交通事故について,後遺障害が残った被害者が,加害者A及び加害者運転車両の運行供用者で加害者Aの使用者であるB社に対し,それぞれ自動車損害賠償保障法3条・民法709条,自動車損害賠償保障法3条・民法715に基づき,連帯して損害賠償の支払を求めました。
依頼者は,函館地方裁判所の管轄地域内に住んでおられますが,当事務所のHPを御覧になり,当法律事務所で担当することになった事案です。
獲得金額の費目ごと金額(保険会社提示額との対比)
項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
---|---|---|---|
後遺障害等級 | 12級 | 12級 | |
積極損害 | 13,816,958 | 13,861,958 | 45,000 |
休業損害 | 22,177,779 | 22,894,605 | 716,826 |
逸失利益 | 8,420,690 | 10,892,251 | 2,471,561 |
入通院慰謝料 | 2,117,000 | 3,800,000 | 1,683,000 |
後遺症慰謝料 | 2,400,000 | 2,700,000 | 300,000 |
損害の填補(既払金) | ▲35,390,547 | ▲35,390,547 | 0 |
弁護士費用 | 0 | 1,800,000 | 1,800,000 |
遅延損害金 | 0 | 7,588,584 | 7,588,584 |
合計 | 11,141,880 | 28,146,851 | 17,004,971 |
単位:円 |
解決内容
後遺障害逸失利益について、加害者(保険会社)は後遺障害の残存期間を14年程度とみるべきと主張しました。しかし、裁判所は、就労可能年齢67歳までの23年間として算定されました。それにより賠償金額が遅延損害金も含め、2,800万円となり、保険会社の提案額の2.5倍になりました。
以下はその時の判決文の抜粋です。
「・・・・・・本件全証拠によっても,これらの後遺障害が今後改善するような兆候はうかがわれないことを考慮すると,原告の後遺障害による逸失利益算定に当たっては,労働能力喪失率を14パーセントと評価し,労働能力喪失期間を就労可能年限までの26年間とするのが相当である。・・・・・・これに対し,被告会社及び被告A補助参加人は,原告の後遺障害の残存期間を14年程度とみるべきである旨主張する。しかしながら,原告の上記後遺障害のうち,左肩関節可動領域制限については,本件事故当時より改善していることは認められるものの,これは原告が前記入院中に手術を受けたからにすぎず,上記可動域制限が症状固定日以降に改善したことを認めるに足りる証拠はない。かえって,前記認定のとおり,上記可動域制限は単なる神経症状ではなく,左肩腱板損傷という器質的原因によるものであること,骨盤骨折による骨盤部痛及び左膝関節軟骨損傷による左膝関節痛は「局部に神経症状を残すもの」に該当すると考えられるものの,これらの障害について,原告は相当長期間にわたり入通院による治療を続けたにもかかわらず,現在でも残存していることに加え,原告の年齢及び職種を合わせ考えると,本件において,原告の後遺障害が14年程度で改善するとは認められないというほかない。」
所感(担当弁護士より)
当事務所で受任するまでの間解決が遅れており既に長期間経過していたが,その分,年5分の割合で計算される遅延損害金が760万円という高額になりました。
保険会社から提示があっても、簡単に示談してはいけません。
死亡事案、後遺症事案は、裁判所の基準によると賠償額が大幅に増額するのが通例です。
前田 尚一(まえだ しょういち)
前田尚一法律事務所 代表弁護士
出身地:北海道岩見沢市。
出身大学:北海道大学法学部。
主な取扱い分野は、交通事故、離婚、相続問題、債務整理・過払いといった個人の法律相談に加え、「労務・労働事件、クレーム対応、債権回収、契約書関連、その他企業法務全般」も取り扱っています。
事務所全体で30社以上の企業との顧問契約があり、企業向け顧問弁護士サービスを提供。
その他の解決事例
- 獲得金額
- 3425万円
- 受傷部位
- 後遺障害等級
死亡
- 獲得金額
- 1065万円
- 受傷部位
- 脳挫傷(右側頭葉)、外傷性くも膜下出血、頭蓋骨骨折、左肋骨骨折の傷害
- 後遺障害等級
12級13号[局部に頑固な神経症状を残すもの]体動時のめまいとの自覚症状について、脳挫傷痕の残存が認められ、他覚的に神経系統の障害が証明される
- 獲得金額
- 980万3094円
- 受傷部位
下顎骨骨折,歯牙脱臼,口腔内裂傷,歯牙破片,咬合不全,外傷性咬合,外傷性顎関節症等の傷害、頭部外傷、脳挫傷、下顎骨骨折等の傷害
- 後遺障害等級
11級4号[10歯以上に対し歯科補綴を加えたもの]歯牙障害*既存障害が14級2号に該当)