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2016年1月16日 逸失利益の算定の基礎収入からその分を控除すべきであるという考え方

 被告の準備書面(以下「被告準備書面」という。),同(以下「被告準備書面」という。)に対する反論等は,以下のとおりである。なお,略語等は,本書面で新たに用いるもののほか,従前の例による。

第1 被告準備書面に対する認否・反論等
 1 同書面の第1について
   同1について
       被告の逸失利益における「基礎収入」に係る主張は争う。
   ア 小規模会社の場合に,役員の報酬の中に実質的に利益配当部分が含まれることがあるとして,逸失利益の算定の基礎収入からその分を控除すべきであるという考え方は,被害者が中小企業の役員である場合には,役員報酬額が過大である場合が見られたり,本来株主として会社の利益に応じた利益配当として受領すべき部分について,法人税を節税するため,税法上損金扱いできる役員報酬を増額して利益を圧縮する操作がされる場合があることを実際上の理由とするものである(平成20年6月30日付け原告準備書面の第1の2)。
         しかしながら,代表取締役就任前の原告X2の給与,原告X1の報酬額が低額であって,賃金センサスに満たなかったことに照らすと,B電設においては,小規模会社でありながらも,給与,報酬として,その中に実質的に利益配当部分を含めて支給するような方策を採ってはおらず,上記給与,報酬はいずれも労務の対価であることに疑いはない(正確にいうと,金額的には労務の対価に満たないものである。)。
         ところが,被告は,原告X2の給与,原告X1の報酬が低額であったことをもって,さらに《「◎家」への環流》といった表現を操作して,亡Aの報酬の中の利益配当部分の存在を導こうとする。
         しかしながら,極端な累進課税制度を採用する我が国の所得税の仕組みにおいて,仮に実態的に利益配当部分が存在し,これを「◎家」の中で有利に処理しようと企図していたのであれば,所得を分散させた方が,「◎家」にとって有利であり,原告X2の給与,原告X1の報酬額を増額させて対処していたはずである。
         しかるに,原告X2の給与,原告X1の報酬額が上記のとおり,賃金センサスにも満たないほどに低額だったのであり,そのような対処は,「◎家」にそのような目論見などなかったことを如実に示すものである。被告の「◎家」への環流という家団という概念を用いてする上記論理は明らかに破綻しているといわなければならず,畢竟,亡Aの報酬中に含めて処理せざるを得ないような利益配当部分はなかったというほかない。

   イ 被告は,B電設について,《同社は,経常利益の多寡にかかわらず,一貫して亡Aに金840万円を支給していたこと》をもって,《有限会社B電設における同族会社においては,経常利益の多寡にかかわらず,一貫して,利益配分を亡Aへの役員報酬という形で環流していた証左であると考えるのが相当である。》と主張する。 
         しかしながら,同時に,被告は,《かかる傾向は,ある面,労務対価部分であることから,経常利益の多寡にかかわらず支給をしたと考えられる面も一般論としてあろう》としており,何故上記のような結論を採ることになるのか,原告としては全く理解できないことである。
         亡Aの報酬額が,B電設の利益に連動していなかったのは,すべて労務対価部分であったからにほかならず,特段の事情が認められない以上,そのように理解するのが自然である。
         加えて,被告が,《「◎家」への環流》という家団のごとき概念を操作して説明しようとしても,上記アで述べたとおり,到底無理なことであって,被告の論理は,理由がなく,牽強付会の説というほかない。
        
   ウ ところで,被告は,原告X2の給与額,報酬額の変遷内容から,亡Aの報酬の中の利益配当部分を算定しようとする。
         しかしながら,上記ア,イのとおり,そもそも亡Aの報酬中に利益配当部分が含まれておらず,その前提自体が欠けており失当であることはもとより,次のとおり,その算定の論理を検討しても理由がない。
         すなわち,原告X2について,給与月額25万円(年額276万円)が役員報酬として増額されたのは,従業員としてもっぱら現場の仕事しかしていなかった原告X2が,亡Aの死亡に伴い代表取締役に就任することにより,亡Aが担っていた職務(平成20年6月30日付け原告準備書面の第1の2イ)を引継いで担当しなければならないこととなり,これに対応して労働対価部分も質,量ともに増大したからである。ただし,亡Aの役員報酬は,年額840万円であったところ,原告X2の職務についての経験不足,能力不足を踏まえて,亡Aの労務対価には及ばず,月額43万円(年額516万円)に抑えられたものであって,従業員としての給与からの増額部分はすべて労働対価部分にほかならない。
         なお,被告は,原告X2の給与額,報酬額の変遷内容から,亡Aの報酬の中の利益配当部分を240万円と算定しているが,単純な計算としても誤りである。同金額は,単純に43万円から23万円を減じた20万円を12倍して算出しているが,原告X2に対しては,代表取締役就任前は,賞与として,平成18年6月に25万円,同年12月に28万円支給されており,差額は187万円とするのが正しい。
        (計算式)
         430,000×12-(230,000×12+250,000+280,000)
         =5,160,000-3,290,000
         =1,870,000
        
         もっとも,いずれにしても,上記のとおり,給与と報酬の差額をもって利益配当部分であると評価するのは,そもそも誤りであるといわなければならない。

   エ 被告は,《現時点で,その後の経営状態悪化が現実化したとされる証拠もなく,数値上から証明されていない。》としているところ(7頁1行目以下),その主張との関連が明らかでないが,平成19年度(平成19年7月1日から平成20年6月30日)の損益計算書(甲25の2枚目裏)から明らかなとおり,同年度の売上高は,4486万9218円にまで激減している。
         B電設における上記売上高の激減は,平成20年6月30日までの経営を取り巻く外部的な経済状況によって説明することはできず,専ら亡Aが死亡したことが原因となっていることは明白なことである。そして,売上高の激減の主たる原因が,亡Aが死亡したことにあることは,亡Aが死亡したのは平成18年度(平成18年7月1日から平成19年6月30日)の期中であっても,平成19年4月26日のことであって,その年度の期末に近い時期であるというだけでなく,繁忙期でなく,大きな受注は翌期の収入に貢献し,当期の売上高に影響の少ない時期であり,そのため,平成18年度の売上高は,亡A存命中の売上高を最低限維持していること(乙1)からも明らかである。
         以上のことに照らしても,亡Aの労務の提供が,B電設の売上げを支えてきたのであり,平成20年6月30日付け原告準備書面の第1の2で述べたとおり,亡Aの報酬額に過大な部分は全く見当たらず,収入の一部に実質的に利益配当部分が含まれることを窺わせる特殊事情もみあたらない以上,すべて亡Aの労務の対価であると評価すべきある。
         なお,被告は,原告X2の給与が月額23万円であったことに関して,《要するに,原告らの当該主張については客観的な証拠がないのである》(6頁6行目)とするところ,そのような断定をする意図が原告には全く理解できず,どのような主張と関連するものなのかも判然としないが,甲26以下を客観的証拠として提出することにする。

   同2について
       被告の就労可能年数に係る主張は争う。
       B電設程度の小規模会社においては,亡Aの職務は,業種に関わらず中小企業の代表者が担う全ての業務のほか,現場的な業務として,自らが施工に携わることだけでなく,現場監督業務のほか(同業務は,被告の主張するように《現場の指導や施工などの肉体労働を伴うもの》と同列論じられる性質のものではない。),従業員の異動,増減,習熟度に応じて,適宜その都度,経験によって修得した技術を実地で指導を行う業務もある。
       《亡Aが,有限会社B電設において,形式的には75歳まで代表取締役に就任し役員報酬を得ることがあるかもしれないが,その報酬は,利益配分や情誼的交付であり,亡Aが終了により得た報酬とは認めらない》とする被告の主張は,上記現場に関わる亡Aの業務の小規模会社における重要性を軽視し,亡Aの業務をすべて一律に肉体労働と決め付けて直ちに結論を導こうとするものであって,到底首肯することはできない。

 2 同第2について
     葬儀費用に係る被告の主張は争う。
     被告の抽象的な法的主張自体は概ね争いがないが,問題はそれが本件について適用されるかどうかである。裁判所に,原被告の主張・立証に応じた総合的判断を委ねるほかない。
    
 3 同第3について
     後記第2と同様である。


第2 被告準備書面に対する認否・反論等
     過失相殺に係る被告の主張は,争う。
     原告の主張は,従前どおりであり,被告の主張する過失相殺率は過大である。
                                                                        以上



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